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サブネットマスクとは―IPアドレスの知識、計算方法(初心者向け)

サブネットマスクとは何かをテーマに、IPアドレスの知識、サブネットマスクの計算方法、などの情報をまとめています。初心者向けの内容です。

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1. サブネットマスクとは

サブネットマスクとは、IPv4のIPアドレスからサブネットとホストのアドレス情報の区切りなどを識別するための値です。

英語のスペル

英語のスペルは「subnet mask」です。

サブネットマスクの3つの意味

サブネットマスクの意味をまとめると以下になります。

  • 先頭1部分でサブネットの個数を表す
  • 後半0部分で1つのサブネットのホストの最大個数を表す
  • IPv4のIPアドレスのビット列とのAND演算でネットワークアドレスが算出できる

サブネットマスクの例

例えば、1つのサブネットに254個のホストをグルーピングするサブネットマスクの値は、 255.255.255.0(11111111 11111111 11111111 00000000)となります。

サブネットマスクの利点/使用目的

サブネットマスクを使用する目的は、サブネット分割を行うことが可能になり、ネットワークの規模に合わせたサブネットを作成することで、効率よくネットワークを運用できる利点にあります。

2. 初心者の方向けにIPアドレスのおさらい

初心者の方でもわかるようサブネットマスクの説明の前にIPアドレスの知識を簡単に見ていきます。

IPアドレスとは

IPアドレスとは、ネットワーク上の位置を示すために使用する番号です。

IPアドレスのルール

IPアドレスは、ネットワーク上で一意になるように設定されます。

IPアドレスの種類

IPアドレスには、IPv4とIPv6があります。 IPv4は32ビットのビット列で表されます。IPv6は128ビットです。

サブネットマスクは、IPv4のIPアドレスで使用する値です。 IPv4のIPアドレスはXXX.XXX.XXX.XXXのように表されるよく見かけるIPアドレスです。

IPアドレスのビット列の情報

IPアドレスのビット列に含まれる情報はその先頭何ビット目までをどのネットワークかを表し、残りのビットでホストの端末に割り振る番号を表します。

3. サブネットとサブネットマスクの説明

サブネットマスクとはなにか、もっと理解度をあげるため、サブネットの知識を簡単に見ていきます。

サブネットとは

インターネットという世界レベルの大きなネットワーク、社内のプライベートなネットワークなどネットワークも種類かありますが、 サブネットとは、ネットワークをさらに複数の小さなネットワークに分割したネットワークのことをいいます。

サブネットマスクの32ビットのビット列とは

サブネットマスクの値は、32ビットのビット列になります。ビットは0か1で表現される2進数の値です。 2進数は2で桁が上がる数え方で、0、1、10、11、100・・・のように増えていく数え方です。

255.255.255.0のホスト数は256個じゃなくて254個になる

0が8個なので256個表現できますが、2つ特別なアドレスがあるため254個のサブネットマスクはこの値になります。

4. サブネットマスクの計算方法

サブネットマスクの計算方法をまとめていきます。

IPアドレスからネットワークアドレスを計算

サブネットマスクとIPアドレスのAND演算でネットワークアドレスが計算できます。192.168.1.0~192.168.1.255のサブネットの192.168.1.2のIPアドレスからネットワークアドレスを計算する例を見ていきます。

サブネットマスクのビット列

192.168.1.0~192.168.1.255のサブネットのサブネットマスクは255.255.255.0でビット列は11111111 11111111 11111111 00000000になります。

IPアドレスのビット列

192.168.1.2のIPアドレスのビット列は11000000 10101000 00000001 00000010になります。

ネットワークアドレスの計算

11000000 10101000 00000001 00000010
11111111 11111111 11111111 00000000
-----------------------------------
11000000 10101000 00000001 00000000

サブネットマスクとIPアドレスのAND演算より、192.168.1.0(11000000 10101000 00000001 00000000)のビット列が得られ、これがネットワークアドレスになります。

サブネットを更に分割する計算

192.168.1.0~192.168.1.255のサブネットをさらにいくつかのサブネットに分割してみようとする際を前提に計算例を見ていきます。

192.168.1.0~192.168.1.255のサブネットを2分割する

192.168.1.0~192.168.1.255のサブネットを2分割する場合は、255.255.255.128(11111111 11111111 11111111 10000000)がサブネットマスクになります。

192.168.1.0~192.168.1.255のサブネットを4分割する

192.168.1.0~192.168.1.255のサブネットを4分割する場合は、255.255.255.192(11111111 11111111 11111111 11000000)がサブネットマスクになります。

192.168.1.0~192.168.1.255のサブネットを8分割する

192.168.1.0~192.168.1.255のサブネットを8分割する場合は、255.255.255.224(11111111 11111111 11111111 11100000)がサブネットマスクになります。

192.168.1.0~192.168.1.255のサブネットを16分割する

192.168.1.0~192.168.1.255のサブネットを16分割する場合は、255.255.255.240(11111111 11111111 11111111 11110000)がサブネットマスクになります。

192.168.1.0~192.168.1.255のサブネットを32分割する

192.168.1.0~192.168.1.255のサブネットを32分割する場合は、255.255.255.248(11111111 11111111 11111111 11111000)がサブネットマスクになります。

192.168.1.0~192.168.1.255のサブネットを64分割する

192.168.1.0~192.168.1.255のサブネットを64分割する場合は、255.255.255.252(11111111 11111111 11111111 11111100)がサブネットマスクになります。

192.168.1.0~192.168.1.255のサブネットを128分割する

ホスト数が2になってしまい、ネットワークアドレス(0)とブロードキャストアドレス(1)など、ネットワークが作れないので192.168.1.0~192.168.1.255のサブネットを128分割することはできません。

5. サブネットマスクがわかると/32などのCIDR表記がわかる

サブネットマスクがわかるとマニュアルなどで見かけるIPアドレスの数を表す「/32」などの表記がわかると思います。

CIDR表記

CIDRは、読み方は「サイダー」で、IPアドレスの割り当てとルーティングを柔軟に運用する仕組みのことをいいます。 そこで仕様されるIPアドレス+/32などの表記(例 192.168.1.2/32)をCIDR表記といいます。

/の後はサブネットマスク

サブネットマスクがわかるとCIDR表記の/の後はサブネットマスクだとわかると思います。

/32は1個のIPアドレスの範囲

/32は1個のIPアドレスの範囲になります。 IPアドレスは32ビットなので32ビットのサブネットマスクで計算すると1個になります。

6. まとめ

サブネットマスクとは、IPv4のIPアドレスからサブネットとホストのアドレス情報の区切りなどを識別するための値です。 サブネットマスクの意味をまとめると以下になります。

  • 先頭1部分でサブネットの個数を表す
  • 後半0部分で1つのサブネットのホストの最大個数を表す
  • IPv4のIPアドレスのビット列とのAND演算でネットワークアドレスが算出できる

更新履歴

このページの更新履歴です。

  • 2022/1/28 /32などのCIDR表記について追記しました。
  • 2021/11/29 サブネットマスクの利点/使用目的について追記しました。
  • 2017/1/22 サブネットマスクとIPアドレスのAND演算でネットワークアドレスを計算する例を追記しました。
  • 2016/10/7 記事をUPしました。

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