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CSMA/CDとは―CSMA/CD方式の知識、CSMA/CAとの違いを解説

CSMA/CD方式のLANは、イーサネットLANと呼ばれることもありますが、CSMA/CD方式はイーサネットで使われているアクセス制御方式です。CSMA/CD方式の知識、CSMA/CAとの違いについてまとめています。

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1. CSMA/CDとは

CSMA/CD方式は、搬送波感知多重アクセス/衝突検出といわれるLANのアクセス制御方式の1つのことをいいます。

正式名

CSMA/CDは、Carrier Sense Multiple Access with Collision Detectionの略です。

Carrier Sense Multiple Access with Collision Detectionの和訳は、搬送波感知多重アクセス/衝突検出です。

LANのアクセス制御方式の1つ

CSMA/CD方式は、イーサーネットで利用されているアクセス制御方式の1つです。

どんなアクセス制御方式?

データ転送の構成単位のことをフレームといいますが、伝送路にフレームが流れていないことを確認してから送信する方式です。

CSMA/CD方式とは?どんな方式か?

2. CSMA/CD方式

CSMA/CD方式は、複数のシステムが1つの伝送路を共有し、伝送路にフレームが流れていないことを確認してから送信する方式です。バス型LANとスター型LANで使用されるアクセス制御方式です。

どのような伝送となるか?

データを送信しようとする各装置は、伝送路上にデータがないことを確認してからデータを伝送します。

伝送路に他の装置のデータが流れていれば、一定時間待った後、再送を試みます。

使用される伝送媒体

イーサーネットLANと呼ばれることもあり、伝送媒体には以下が使用されます。

  • より対線
  • 同軸ケーブル
  • 光ファイバーケーブル

衝突と伝送遅延、スループット低下

伝送路使用率が低いうちは衝突の確率は少ないですが、伝送路使用率が高くなると衝突が発生する確率が増加します。

伝送路使用率が増加すると、急激に伝送遅延が発生します。

イーサーネットの利用率が高くなればなるほど、伝送待ち時間は長くなり、待ち時間は衝突頻度が上がると急激に増えることになり、スループットが低下します。

スループット低下の理由

CSMA/CD方式は、複数のシステムが1つの伝送路を共有するので、同時に送信して衝突することがあり、データは失われてしまいます。 衝突を検出すると直ちにジャム信号を一定時間送り、衝突したことを伝送側に伝えます。

ジャム信号は衝突検出を確実にするための信号です。その間パケットの送出は中止されます。送信しようとしていたノードは、その後ランダムな待ち時間経過後データを再送します。

つまり、衝突発生時の再送動作によって、衝突の頻度が増すとスループットが下がります。

3. CSMA/CD方式関連の知識

CSMA/CD方式に関連する知識として、LANやそのアクセス制御方式についてまとめています。

LAN

LANは、同一建物や敷地内にケーブルを敷設し、複数のコンピュータや終端装置を接続したネットワークです。

LANの標準化は、IEEEの802委員会を中心に行われています。

LANの技術は、OSIモデルの物理層(第1層)とデータリンク層(第2層)が標準化されています。

LANの技術

物理層では、LANの伝送媒体や網トポロジが規定されています。データリンク層は、さらにMACとLLCの2層に分けられています。

MACではCSMA/CD方式などの伝送制御手順、LLCでは上位層とデータを受け渡しするための共通リンクコネクションの方法が規定されています。

LANのアクセス制御方式

LANのアクセス制御方式には、CSMA/CD方式以外にトークンパッシング方式があります。

トークンパッシング方式

トークンを常にLAN上に循環させ、各装置はトークンを得ることにより送信権を得て送信を行う方式です。

衝突による再送の発生がネットワークの負荷状態によって増加することはありませんが、 伝送路使用率が高くなるとトークンを捕まえられる確率が低くなるため、伝送遅延が発生します。

4. CSMA/CDとCSMA/CAとの違い

CSMA/CDとCSMA/CAとの違いについてまとめていきます。

CSMA/CDとCSMA/CA

CSMA/CD方式は、有線LANのアクセス制御方式の1つですが、無線LANではCSMA/CD方式のアクセス制御方式を無線に適用したCSMA/CAなどの方式があります。

CSMA/CAとは

CSMA/CAとは、Carrier Sense Multiple Access with Collision Acoidanceの略で、搬送波感知多重 アクセス/衝突回避方式のことをいいます。

無線LANの通信規格であるIEEE 802.11で、データリンク層の通信プロトコルとして使われています。

CSMA/CA方式のデータ送信

無線LANではCSMA/CD方式のように衝突を検出できません。

直前の通信の一定時間後に複数の端末が一斉に送信することを防止するため、 各端末は通信経路が一定以上継続して空いていることを確認してデータを送信します。

CSMA/CDとCSMA/CAとの違い

CSMA/CDとCSMA/CAの主な違いには、「CSMA/CDは送信中に衝突を検出」「CSMA/CAは送信の前に待ち時間を挿入する点」です。

CSMA/CAは、無線のような不安定な通信で使われます。

更新履歴

更新履歴になります。

  • 2016.11.26 CSMA/CDとCSMA/CAとの違いについて追記しました。
  • 2016.06.27 ページをUPしました。

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